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少額訴訟制度

少額訴訟手続

60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,原則として1回の審理で紛争を解決する特別の手続です。市民間の規模の小さな紛争を少ない時間と費用で迅速に解決することを目的として,新しく作られた手続です。少額訴訟手続は,60万円以下の金銭の支払を求める訴訟を起こすときに,原告がそのことを希望し,相手方である被告がそれに異議を言わない場合に審理が進められます。少額訴訟手続の審理では,最初の期日までに,自分のすべての言い分と証拠を裁判所に提出してもらうことになっています。また,証拠は,最初の期日にすぐ調べることができるものに制限されています。ですから,紛争の内容が複雑であったり,調べる証人が多く1回の審理で終わらないことが予想される事件は,裁判所の判断で通常の手続により審理される場合があります。
 少額訴訟手続でも,話合いで解決したいときには,和解という方法があります。話合いによる解決の見込みがない場合には,原則として,その日のうちに判決の言渡しをすることになっています。少額訴訟の判決は,通常の民事裁判のように,原告の言い分を認めるかどうかを判断するだけでなく,一定の条件のもとに分割払,支払猶予,訴え提起後の遅延損害金の支払免除などを命ずることができます。
 少額訴訟手続の判決に対しては,同じ簡易裁判所に異議の申立てをすることができますが,地方裁判所に控訴をすることはできません。

手続の流れ

少額訴訟手続による審理を求める訴状が裁判所で受け付けられると,最初の期日が決められ,当事者双方にその通知がされます。訴えられた相手方には,訴状の副本と一緒に口頭弁論期日呼出状,少額訴訟手続の内容を説明した書面,答弁書用紙,事情説明書といった書面が同封されていますから,確かめた上,まず,少額訴訟手続の内容を説明した書面をよく読んでください。その上で,相手方は答弁書で自分の言い分を書いて反論することができます。また,事情説明書は,少額訴訟手続により,原則として,最初の期日に裁判が終わるよう,双方から裁判所に対し,事前に必要な事情を伝えてもらう書面です。
 次に,裁判の前に準備することを御説明します。
 少額訴訟では,裁判所が最初の期日に当事者双方の言い分を聞いたり,証拠を調べたりして判決をします。訴訟では,双方の言い分に食い違いがある場合,証拠に基づいてどちらの言い分が正しいかを判断することになりますから,自分の言い分の裏付けになる証拠は,最初の期日に提出できるように準備してください。
 主な証拠としては,契約書,領収書,覚書,原状回復見積書のほか,賃貸開始時、明渡し時の室内写真などがあります。
 また,判決以外にも,訴訟の途中で裁判所で話合いをして,相手方との間で分割払の約束をするなど,和解の方法により解決することもできます。

少額訴訟判決

 当事者が判決を受け取った日の翌日から起算して2週間以内に異議を申し立てなければ,確定します。確定すると,判決の内容を争うことができなくなります。少額訴訟を起こした方,つまり原告の言い分が認められた少額訴訟判決には,「この判決は,仮に執行することができる」旨の仮執行宣言が付されますので,相手方つまり被告が判決に従わない場合には,原告は,判決確定前であっても,少額訴訟判決の内容を実現するため,強制執行を申し立てることができます。ただし,被告が異議を申し立てるとともに,強制執行停止手続を求めた場合には,その強制執行手続が停止されることがあります。
 少額訴訟判決に不服がある場合の手続について御説明します。
 原告と被告は,いずれも少額訴訟判決に不服がある場合には,少額訴訟判決をした簡易裁判所に異議の申立てをすることができます。なお,少額訴訟の判決に付された支払猶予,分割払,期限の利益の喪失,訴え提起後の遅延損害金の支払義務の免除の定めに関する裁判に対しては異議を申し立てることはできません。
 異議後の審理は,少額訴訟の判決をした裁判所と同一の簡易裁判所において,通常の手続により審理及び裁判をすることになりますが,異議後の訴訟においても反訴を提起することはできませんし,異議後の訴訟の判決に対しては控訴をすることができないなどの制限があります。
 なお,少額訴訟手続及び異議後の訴訟の手続においても,訴訟の途中で話合いをして和解により紛争を解決することができます。和解が成立すると,裁判所書記官がその内容を記載した和解調書を作ります。和解調書の効力は確定した判決と同じですから,相手方が和解で約束した行為をしない場合には,もう一方は,和解の内容を実現するため,強制執行を申し立てることができます。

少額訴訟債権執行とは?

簡易裁判所の少額訴訟手続で債務名義「判決,和解調書等」を得たときに限り,その簡易裁判所において行う金銭債権「給料,預金等」に対する強制執行「差押等」のことです。

執行不能とは

差し押さえる財産もない場合には強制執行をしても債権回収できるとは限りません。
しかし、敷金・保証金返還の場合は、貸主が何らかの財産を所有している可能性が高いと思います。

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